星の子ポロン
今日紹介する作品は幻のカルトアニメ「星の子ポロン」です。

「僕、星の子ポロンちゃんだよ!」
少し前にTwitterの方で「みんなが認めるマジ○チアニメって何?」といった類いの話題でこの「星の子ポロン」が挙げられ、興味を抱いたものです。ニコニコ動画の方で10数話動画が挙げられているので見たのですが……まるで展開の意味がさっぱりわからなかったです。凄いです。
超展開で有名な「チャージマン研!」と双璧を並べても良いインパクト(寧ろそれ以上)を感じたので、この際ブログでも取り上げて少しでも多くの方に知って頂ければなーと、思います。
本編の内容は、「社会で守るべき最低限のルール」を題材とし、子供を対象とした教育アニメです。
主人公のポロン以外の登場人物は動物です。

主人公のポロンちゃん。cv.野沢雅子
何処からとも無く空からやって来て、頭からビームを発射して問題をゴリ押しで解決する能力を持つ。
たまに騒ぎを起こした動物どもに説教、もしくは鉄拳制裁を喰らわすシビアな面もある。
「バカだなあ」「それにあんまり強情張るもんじゃないよ」等と一々一言多い。

作中の動物は大体可愛くない場合が多く、愛くるしいパンダも本編では偽物紛いになる。子供向けアニメなのに可愛くないのは致命的に宜しくない。
大体なんかやらかす。
一番の要としては、本編がなんと約1分半しかありません。あまりに短い時間枠の中に無理矢理内容を要約しているため、ぶっ飛んだ超展開を毎度繰り広げてくれます。
大体私が見た限り、どの話も次のように展開がなされます。
(文章の至る所で甚だ疑問を感じるものがあると思いますが、本編もそんな感じです)
起:擬人化した動物がなんかやらかす
(例:花の信号機に青ペンキを掛けて青信号にする)
承:結果、問題が起きてやばいことになる
(例:信号機が全部青信号になって、交通事故が発生しまくる)
転:ポロンちゃんの何か凄い能力で何か元通りになる
(例:青信号になった信号機を元に戻す)
結:やからした動物共にお灸を添える
(例:「2人ともいたずらはしちゃいけませんよ、わかった?^^」というナレーションが入って終わり)
前述しましたが、こういった起承転結を約1分半でこなす為、ありとあらゆる展開が早く、余韻や考える間を与えません。どうしてそうするに至ったのかという過程が全く意味不明なところと(上記だと何で信号機が花なのかが不明です)、伝えようとする教訓や意図がわかりにくいという難点が全話で見られます。
まあ、説明しても伝わりにくいものもあるので、本編は約1分半なので取り敢えずご覧になって超展開を見守って下さい。
とりあえずどうしても言わせてほしいことがあるので言わせて下さい。

「これは、花の信号機です」(ナレーション)
花の信号機って何だよ。

「この信号機に青ペンキかけてみよっか」
「うん、そうしよう〜」
何で青ペンキかけるんだよ。
青ペンキかけて何で全部青信号に変わるんだよ(それはまあ、花だから染まったんやない…?てことか…)。

「いたずら」じゃ済まねえから!大惨事だから!人死ぬから!
壊れた車もポロンちゃんのビームで修復出来たのだろうか…。

2話目で車が崖から落ちるシーンでやけに効果音が本格的なところは何なんだよ。そもそもケーキ喰えなかったからってブレーキ壊すなよ。キツネはどうなったんだよ…。
こんな感じに「何でだよ」と思う間もなく、唐突に終わりを迎えるのが特徴です。細けえこたあいいんだよ!感じろ!ってことなのだろうか。
昔のアニメ見ると展開が強引なところもあったり、「子供向けだしな…」て目を瞑るところもあります。
しかし何せ展開があまりにもゴリ押しのため(そもそも1分半は短過ぎると思う)、ナレーションも半分投げやりだったり、問題の元凶たるキャラへ説教・制裁をスルーする話もあったり、ポロンちゃんの制裁が容赦なくかえって教育上宜しくないシーンも多かったり、当時視聴していた子供たちに教訓や意図が伝わることが出来たかは疑問に思う所がどうしてもあります。
また、本編はかなりの低予算だったらしく紙芝居のようなチープ具合があったり、ブツブツとノイズが微妙に入っていたり、微量ながら狂気を感じます。
ニコニコ大百科から抜粋致しますと、1974年頃に北海道文化放送他で放送されていた作品で、全260話あるらしいです。多過ぎです。但しニコニコ動画で数十話発掘されているのみで、2015年11月現在もソフト化されていないので、全編を見ることは不可能ともいえます。今後の動向に期待しましょう。
個人的には「チャージマン研!」、略してチャー研は、一応起承転結はハッキリして(強引で回りくどくはある)、大体登場人物のやりたいことは何となくわかるので、左程キチキチしているとは思っていなかったのですが、こちらのポロンちゃんは登場人物(動物)の意図が読めないケースが多いので、レベルがかなり高いと感じました。しかもチャー研と比較して無駄に声優陣が豪華なのがニクいですね。野沢雅子さんはどういう心境で挑んだのだろうか。
この手の作風を好みとする方は必ずいらっしゃると思いますし、最近のギャグアニメにマジ○チさが足りない!と嘆いている方には、是非見て頂きたいと思う次第であります。もしかしたら謎の中毒性もあるのかもしれない…。みんな見てね〜!
星のポロンちゃんをもっと知りたい方への関連リンク↓
星の子ポロンWikipedia
ニコニコ大百科:星の子ポロン
星の子ポロンまとめwiki
星の子ポロン:感想(評価/レビュー)
関連リンク先の記事の充実っぷりを見ると、ポロンのファンは多いのではないかと察する。また、ポロンファンのことをポロニストと呼ぶらしい。