スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

KEY THE METAL IDOL

   index.jpg

1994年~1997年にOVAで発売された全15話構成
「KEY THE METAL IDOL」を全話視聴しました。




あらすじ
山間の村、猯尾谷(まみおだに)に住む17歳の少女巳真兎季子は自分のことを祖父が作ったロボット「キィ」だと思い込んでいた。じっちゃんはある日「友を集めなさい。キィのことを本当に思ってくれる友人を3万人集めれば、キィは人間に戻れる」と言い残して唐突の事故死を遂げる。

じっちゃんの遺言を叶えるべく東京に向かったキィは、偶然幼友達の厨川さくらと再会する。
さらにトップアイドル鬱浦美保のライブ映像を見たキィは三万人の友人を集めるために、アイドルになることを決意し、行動を起こしていくのであった。

そんなキィの周りで不可解な事件が多発する。夜な夜な町に徘徊するロボット、胡散臭い宗教の教祖、PCから聴こえる謎の歌、ともよちゃんとDの死闘…。事件の裏では巨大軍事企業を率いる蛙杖仁策が胡散臭い行動を取っていた…。



以下軽いネタバレ注意!


keypic.jpg
(画像は違うけど)キィの証明写真を取る際、さくらちゃんが一緒に入ってしまうシーン。ベストショットとも言うべきか。


渾身の意欲作だと思います。
NHK-BSで放送されていたこともあるらしいのですが、
これを放送しようと思ったNHK-BSはすごい。


当時、1巻1話のOVAで発売されていたそうです。DVDパッケージは上記の画像の通り、SFっぽいものですが、SF色はあまりありません。どちらかといえばミステリー、サスペンスに近いです。ヒューマンドラマにもあたるかな?
1話完結ではなく、TVシリーズのように内容が続いて行きます。「次は…一体どーなっちゃうの!???」といったところで上手い具合にエンディングに入ります。これは当時、リアルタイムで作品を見ていた方には、高揚させる演出でしょう。

見てる分としては、制作者が好きなことをアニメにしたという感じなのですが、中々気合いが入っているOVAです。元々24話くらいの構成だったようです。そのかわり14、15話はそれぞれ収録時間90分のボリュームになっています。


・作品の雰囲気、構成について

fb_convert_20131011113012.png
右は吊木先生(cv.三木眞一郎)。かなりぶっ飛んでる魅力的なキャラ。

さて、肝心の内容ですが、ご覧のとおり
女の子が主人公ですが、萌えはないです。(いや、キィちゃんは可愛いし、さくらちゃんも可愛いよ!ともよちゃんもイケメンだし、キャラクター全員生き生きとしているのでもしかしたら「萌え」を見出すアニメなのかもしれません。)
コメディ的でもないし、謎が謎をよぶ展開です。そのため、ミステリアスで重々しい、暗い雰囲気で進んで行きます。

伏線ありありな、意味有りげな演出が多々あるのですが、それが最後まで明かされなかったり、「結局アレはなんだったのか?」という事例もあります。



keyw_convert_20131011113250.png

ロボットが出てきますが、攻殻機動隊のような活躍はしません。ロボットを作る企業が、いかにロボットを上手いこと操れるようになるか、常にテスト段階といった感じなので、ぎこちないです。
しかもそのロボットの原動力が「ゲル」というものなのですが、明らかに効率悪い気がするんだけど制作者はよく考えたなあと思います。

パッケージからして、「AKIRA」「攻殻機動隊」のようなバリバリSFを期待すると肩透かしを喰らってしまいますのでご了承下さい。


叙述した通り、元々24話くらいの話を15話でまとめてしまっています。
その為、後半になると駆け足気味に話が進み、
14話に置いてはほぼ説明回になっています。シリアスな雰囲気で、見所もあるのですが90分ほぼ台詞だけというのは、中々キツいです(そう考えると機動警察パトレイバー2と攻殻機動隊は本当に凄い)。14話だけは、私も眠くなってしまいました…。

その代わり最終回の15話は、屈指の出来だと思います。



key_convert_20131011005839.png
DVDパッケージに似たものが15話に出てきますが、ここのアニメーションが滅茶苦茶かっちょいいです。

全体的にシリアスで、重い雰囲気が続き、爽快感、エンターテイメント性はあまりないです。
作画も、私は好みなのですが、一昔前のアニメなので少し癖のある絵ですね。結構グロテスクな描写もあるので、そういうのが苦手は人は見ちゃ駄目です(BLOOD-C程じゃないけど)。
好みが分かれる作品だと思います。1話を見て「あーなんか合わないなー」と思った方は、素直に視聴をやめた方がいいかもしれません。それでもOP、1話を見て魅了された人、なんか気になると思った人は是非全話見てほしいです。



・キャラクターの話

KeytheMetalIdol5_convert_20131011113229.jpg
ロボット状態でも愛おしい。

本作の主人公、キィちゃんは普段は無表情、無口で、本当に
「ロボットみたい」です。無表情キャラが好きな方は、大いに気に入るキャラクターだと思います。
感情の起伏も全くないし、声の抑揚もないけれど全く感情がないというわけではありません。他人の恋心に気付くなど鋭い一面もあります。なんとも魅力的なキャラクターです。


そんなキィちゃんが、時折、周囲の「思い」をいっぱい貰うことで、非常に人間らしい表情、感情を出すことがあります。

hu_convert_20131011113148.png

かわいいじゃねぇか!!

とても表情が豊かで、困った顔をよくします。個人的にナベは表情豊かな時の方が好きです。
無表情なキィが、いつ、どんな時に表情を変えるか、どんな表情をするか、注目すると目が離せません。
(OVA作品なので、モブキャラは結構テケトーに描いた感がある時がありますが、キィの作画はあまり崩れないので、安心してみれますよ。)
また、ロボットから人間らしくなる時、目の描き方が非常に丁寧に動きます。アニメーションとしても必見だと思います。


でも、キィが人間らしくなる時、上記の画像では笑っていますが、悲しい表情が多いです。15話は特にそれが顕著です。


cr_convert_20131011112756.png
6話での、泣き叫ぶシーンが忘れられない…。なんとも、こちらも居た堪れない気持ちになってしまう程、表情の描き込みは気合い入っています。十秒もないシーンですが、瞬く間に見れる表情の変化が素晴らしいNE!

書くのが遅れましたが、キィの声は岩男潤子です。
ロボットの時、ロボットか人間かの境目の時、人間の時、演じ分けが本当に上手です。ロボットの時の声は「これデビルマンレディーの不動ジュンと同じ声の人なのか?」と心底疑いました。いろんな声出せるんですね……今やすっかり岩男さんのファンですわ。最終話の泣くシーンとか、胸が痛くなりますわ…。


後、序盤は岩男潤子他、長沢美樹、森川智之の初々しい演技を聴くことが出来ます。回を重ねることに段々上手くなっていくので、声優ファンはそちらにも注目してほしいところです。


Key-The-Metal-Idol-1-IBQHT4KHSL-800x600_convert_20131013012123.jpg

もう1人、欠かせないのはキィの親友、厨川さくらでしょう。(右のおっさんは違うよ)
口は悪いけど情に熱い、男勝りだけど乙女な、非常に人間臭いキャラクターです。
キィと東京で会ったのは良いことだったのか、悪いことだったのか、どちらとも言えませんが、キィと会って、災いを被りつつも、キィをアイドルにするために自信も真剣に活動する。
時に葛藤したり、キィちゃんのことばかり喋る片思いの三和土お兄さんに嫉妬したりしつつも、それでもキィのことがほっとけない…
なんて素敵な人なんだ…とワシャア思います。


キィとさくらちゃんの関係は、親子のような愛情に近い気もします(二人は異母姉妹であることが示唆されていますが、定かではありません)。百合だと思うんならそれでいいんじゃあないかな!あんまり百合ぽくない気もするけど。


・キャラクターの話 オマケ

hqdefault_convert_20131011113127.jpg

右がアジョー重工のオヤジ(cv.速水奨)
とても悪い人相と性格をしていらっしゃる。Wikipedia先輩曰く、スタッフに嫌われてるキャラであり、15話の総集編に近いOPで一回も出てこないこともなるほど、窺えるね。

左はオヤジの秘書なんだけど名前なんだっけという程存在感薄い(菰田(こもだ)というそうです)。
ネタバレになるけど、15話ですげーあっさり死んでしまいます。



ge_convert_20131011113030.png
gee_convert_20131011113050.png

個人的に面白いなと思ったキャラ
オヤジの闇の部下「D」こと「セルゲイ」(cv.小杉十郎太)
満身創痍で包帯グルグル巻きなのにガッツでパソコンに向かう。
そしてガッツでハッキングし、監視されていた部屋のロックを解除する。

geee_convert_20131011113110.png

ガッツで鉄格子を開ける。この盛り上がった筋肉!
それなら別にハッキングする必要なかったんじゃないの?と思ったことは言うまい!




・総評



こちらがノンクレジット版のop。雰囲気がちょっとlainに似ていますね。
アンニュイな曲調で、アニソンで留まっているのは惜しい名曲。
好みに合った方は是非アニメの方もご視聴下さい。

「KEY〜」も鬱アニメの例として挙げられたことがあったのですが、私は陰鬱じゃない話が1話たりともない「デビルマンレディー」を先に視聴していたので、鬱とは感じませんでした。
ただ、見終わった後胸にポカリと穴が開くような…そんな感触がしました。この作品も、結構なキャラクターが死んでしまいます。
一応結末はハッピーエンドなのですが、それも五分五分な気がします。「デビルマンレディー」も「KEY THE METAL IDOL」も、あのラストは主人公にとってこの先どうなるのか、という事を考えると段々物哀しくなっていく気がします。


この作品を見て元気を貰おう、癒されよう、という方は、回れ右をして他の作品を見た方が賢明でしょう。ただ、この作品に対するクリエイターの、創りたいものを創ったという意気込みが非常に強く感じる意欲作なので、一見の価値は充分にあると思います。ドラマCDとか設定資料とか、もう手に入らないんだろうなあ…。


私は岩男潤子繋がりで、この作品を見るに至ったのですが、そんな単純な理由でこの作品に出会えた事はとってもラッキーでした。




続きのレビューでは15話について完全にネタバレしています。お許しください!

・15話について少しレビュー

いやね、デビルマンレディー見てても、岩男潤子が主人公となると、ヒロインポジションの子って多分死んじゃうんじゃないかな〜…と思っていたのですが、その予想通り、厨川さくらちゃんが15話で死んでしまったのはショックでした。

人が死んでしまうシーンは、下手するときな臭くなったり、妙に白けてしまう難しいシーンだと思うのですが、さくらちゃんとキィのいまわの際の会話、やり取りは名シーンだと思います。「大丈夫、また来年咲くからさ」とかなんともさくらちゃんらしい。
その後の「どうしてキィの好きな人は皆逝ってしまうの!?」と泣き叫ぶキィもまた悲しい…。



key15_convert_20131011113209.jpg
最後、3万人の思いを受け取ったキィは人間に戻れるのですが、人間のキィを見せたかった人物が全員他界しているというのも、なんとも不運というか、不条理というか。

皆の人気者になったけど、キィは結局ひとりばっちで「孤高にして孤独」という言葉が当てはまりそうです。
数々の犠牲、大切な人を失って得たアイドルの座は果たしてキィにとっては本当に良かったのか。
大量のゲルの容器から、さくらちゃんの思いが入った容器を抱いて、親友の思いに気付いた時は切なかったです。
最後、静かに手を振って微笑むのですが、こんな哀愁漂う笑みってあるのか。


アイドル鬱浦美保のおっかけだった三和土が、その美保のアイドル生命を絶たせることになるというのも、皮肉な展開です。冷めてしまったファンの心境もよく表しているようで、考えさせるものがあります。
美保も、アイドルとして輝きを持ったけれど、少し風が吹いたら直ぐに散ってしまう、弱々しい花のような存在だった気がします。アイドルは輝かしい見た目に反して危うい存在だと感じました。


思い返せばそれほど、悲しさが増しますわ。
中々無理がある設定や、急な流れもあったのですが最後はちゃんと綺麗にまとめてあります。
何よりもさくらちゃんとキィの親愛がとてもふつくしかったです。
「KEY THE METAl IDOL」は私の中では傑作の作品です。

テーマ : アニメOVA
ジャンル : アニメ・コミック

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ナベ

Author:ナベ
今年の抱負
「筆が早くなる」

基本まだらなブログ
映画、アニメ、お絵描きの記事が比較的多めです。
*趣味
お絵かき 
pixivもやってるよ
散歩 音楽と映画鑑賞
*Music
Perfume 宇多田ヒカル 天野月

リンク先の「Filmarks」「あにこれ」ではおなべ名義でレビューしてます。そちらもどうぞ。

twitter
最新記事
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

カテゴリ
月別アーカイブ
リンク
FC2カウンター
最新コメント
検索フォーム
最新トラックバック
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。