”愛”がテーマの映画は好きですか

BLOOD-C the last darkのDVDがようやく届きました。
思い返せば去年6月に見に行って…長い日々だった…
私はずっとこの時を待っていたのだ。
mac君はBlu-rayだと働きたくないでござると言うのでDVDにしました。
もう書かないと気が済まないらしいのでせめて
わかりやすくレビューするよう努めます。
以下ネタバレ注意
201X年、冬。
浮島地区で七原文人に実験の対象にされ、
信じていたもの全てを裏切られ失った小夜は
その復讐を果たすべく、東京にいた。
そこは世界企業セブンスヘブンを後ろ盾にした
文人の支配下に置かれていたのだ。
更に青少年たちには管理下に置く青少年保護条例が施行され、
怪しい実験が行われていた。
そんな東京で小夜は、社会を裏から操る組織「塔」の正体を暴くために活動しているネットコミュニティ・サーラットのメンバーと出会う。
利害が一致した小夜は共に文人の組織「塔」に戦いを挑むことになる。
そんな中、私立十字学園に文人が講演に訪れるという情報を手に入れる。
小夜はヒロインの真奈ちゃんと共に制服を身につけ、潜入に成功。
だがそこには文人の罠が仕掛けられていた…。
キャラクター

小夜 cv水樹奈々
古きものと呼ばれる異系の存在を倒す宿命にある永遠の命を持つ少女。
TV版では文人さんに「更衣小夜」という偽名を与えられ
偽の記憶を植え付けられていた。
浮島で騙されたり利用されたり馬鹿にされたり寄って集られて
酷いことをされたせいか、少々荒んでしまっている。
映画では笑顔が皆無で険しい表情が多い。
叫ぶ場面は多いが、台詞自体はあまりなく、口数もめっきり減ってしまった。
「化け物」、「更衣小夜」と呼ばれるのが嫌らしく、
調子こいてそう呼ぶとかなり怒る。
(調子はこかないほうが利口。)
文人に復讐心を強く抱き、半年間寝ず食わずの状態。
「七原文人は私の獲物だ」と言っているが
心のどこかで復讐に迷いがあるような描写がある。

柊真奈 cv 橋本愛
サーラットのメンバーの一人。
小夜に二回も古きものから助けてもらえるというヒロイン。
一回目は誘拐されたところを助けてもらい
二回目は喰われそうになったところを小夜が庇って助けてもらえる。
小夜のことがほっとけない様子。
(どちらかというと小夜が真奈をほっとけないのかもしれない うん)
新聞記者だった父親はセブンスヘブンの取材に行ったきり、行方不明となっているらしい。これはフラグって奴ですね。
橋本愛の声がちょっと…棒読みなため、違和感がががある時がある。

七原文人 cv野島健司
おなじみの文人さんである。
TV版の最終話では中々の悪人っぷりを見せる。
映画版では小夜に会いたくて会いたくて震える様子。
「塔」では人間から古きものが作れないか実験を繰り返していた。
でも上手くいかない…すぐに死んでしまうらしい。
「すごく綺麗だ…欲しいよ小夜」
と、終盤中々紳士的な台詞が見られる。
右はしっこ 九頭 cv諏訪部順一
通称忍者。文人のお付き。
かなりデカい。忍者のような運動神経をしている。
こっちは文人さんを崇拝しており、忠誠心があるのは認めたいところ。
調子こいて「更衣小夜」と呼んでしまい、激怒した小夜に右腕吹っ飛ばされました。古きものに自分もなりますが、あっけなく倒されました。

殯蔵人 cv神谷浩史
シスネットという会社の社長さん。
文人に個人的恨みがあり、小夜に文人を殺してくれと頼む。
二回目以降見ると本当にコイツは胡散臭いのです。

左 松尾伊織 cv中村悠一
通称まっさん。運転担当。愛車は犠牲になったのだ…。
正義感が強く熱血漢。
右 藤村俊 cv梶裕貴
まっさんとよくコンビを組んでいる。簡単なハッキングは出来るらしい。
飴ちゃんが好き。ムードメーカー的存在でお調子者である。

左 矢薙春乃 cv甲斐田裕子
殯さんの秘書で、サーラットのまとめ役。
初対面の小夜には中々ドスの利いた口調だったが、
気立ての良いいい人です。ある女優さんをモデルにしているらしい。
右 月島比呂 cv花澤香奈
監督と友人の推しメン。
幼女でありながら、恐るべきハッカー使いである。
ただ、人見知りが激しく初対面の相手にはなかなか打ち解けない様子。
よく青系統のものを身に付けている。

網埜優花 cv浅野真澄
文人のお付きで都知事になろうと目論んでいる野心家。
映画版では登場シーンが少ないが、最終的に都知事になり一人勝ち。
因みに小夜のことは”演技”では親友だったが、
本心では何とも思っていない。無関心である。
個人的に小夜さんに一喝ぐらいされてほしかったところ。ちくせう。

四月一日君尋 cv福山潤
小夜が刀を手に入れるために訪れた何でも屋さん。
浮島では犬を通じて、小夜に自分を取り戻すように呼びかけた、が、
はっきり言ってアテになりませんでした。
CLANP作品からのゲスト出演なので賛否両論のキャラ。
改めてDVDを見て

冷静になって本編を見直すと、結構荒削りな所も多いです。
ちょっと時間が足りなかった印象もあり、
制作ももしかしたらギリギリだったのかもしれません。
サブキャラの経緯も出来れば詳しく知りたかったかな。
最後の戦闘が短いのも残念なところ。もっと見たかったぜ。
ストーリー展開も、情報が入る→実行という流れなので
そこにツッコミどころを感じる方も多いです。
私も冷静になるとそう感じますが、
情報を確認することを焦点に置く映画ではないし
何しろキャラクターはほぼ「青少年」なので若さ故の無鉄砲さもあっていいと思っています。
監督さんも青春ドラマを描いたとおっしゃっていますし、
荒削りなところはさほど気になりませんでした。
TV版のイメージも強く
小夜が全く別のキャラになっているので、そこに違和感がある、ないかで作品に対する好みも大きく変わりそうです。
ただ、TV版は茶番劇を描いていたので
この映画も結局茶番だったねという認識もされているのが非常に残念。
謎が明確にあまりされないのも賛否両論かも。

小夜が浮島の事件はトラウマになっている、
ということはわかるのですがそれ以外本心が明確にはされません。
彼女が何を思っているのか知りたかった人は残念だと思います。
結局小夜の素性や何故人を殺せないのかは不明のままです。
テーマは”愛”
この映画ね、”愛”がテーマなんですよね…。
「復讐劇」として捉えると完全に肩透かし喰らいます。
文人が今までやってきたことは
全部小夜のためで彼女を一途に愛していた故だった
と、言われたらどう思いますか?
ここの受け取り方によってこの映画の最終的見解が分かれると思います。
合わない人も多いんじゃないかな、愛故にだと。

私は最後の場面がアニメ映画の中でも名場面に入ると思うのだがどう思う?
あっけなく文人は死んでしまいますが、
あっけなく復讐を遂げて、憎んでいたけれど
自分を愛してくれた唯一無二の理解者を失い
「結局私は独り…」と呟く小夜が悲しいです。
その時の表情がまたなんともいえないんだコレが。
推したいところ
作画が綺麗で動きも細かいです。小夜ってかなりキャラデザが難しいと思うのですが、それをこなしてしまうのはやはりプロ…ッ!
凸レンズの構図、鏡の使用、手だけで表現する、ピンボケの活用など画面の演出も見ていて面白いです。流石はI.G.背景美術もコリに凝っている。
音楽が雰囲気にかなり合っていますが、音響も注目していただきたいところ。スパスパッと斬る刀の音、プシャアアアアという血飛沫の音とかここまでいくともう気持ちいくらいです。

特に素晴らしいと思ったのは、キャラクターの表情。
アニメーションならではの表現で、多分実写では不可能だと思います。
他のアニメもよく動くしぬるぬるしてるけど
表情に関しては、あまり変化がないように見えます。
怒ってる…のだけど眉毛が上がってるだけ
笑ってる…のだけど口元だけ あまりモーションがないかな…と。
”無表情”に近い印象を受けました。
小夜はあまり喋らない分、表情の変化が非常に繊細です。
多分小夜に表情が全然なかったらここまで好きになっていません。
クールと無表情は相容れないと思います。
それと憎しみを抱いている相手に心底怒りに満ちた表情をする女性キャラを未だかつて見たことなかったので魅力を感じたのかもしれません。うざそうな表情がタマラン。

中盤の十字学園での戦闘は燃えるぜ。
何回見直したかわからん。スピード感があり迫力満天です。
ここでも血がドバアーっと出ますが、グロさはあまりないです。
TV版がグロすぎただけかもしれないけど。

古きものがTV版に比べるとキモいけど”異系な存在”を醸し出しています。
小夜さんの左頬に右ストレートを喰らわせる恐るべき敵である。
キャラクターと一緒に紹介しましたが声優さんがとても豪華です。
ただ神谷さん目当てで行くと残念な事になります。
水樹奈々さんは今回はドスの効いた低い声です。
「お前の指示を受けるつもりはない」とか「黙れ」とか言います。
フワフワ系が多い印象だったのでこれは驚きました。
前述しましたが橋本愛のキャラの声がちょっと…棒読みです。
しかも出番が多いです。こう比較するとやっぱり水樹奈々さんは上手だなと思いました。
最後に
長々となりました。お許し下さい…っ!
謎が解明されないので、消化不足なところも多いと思います。
文人の目的もはっきりとは語られません。
後CLANPの作風が結構色濃く出てるので、今までのBLOODシリーズが本当に好きな人は合わないかもしれません。
もっと時間を長くしてもよかったんじゃないかなと感じます。
出来ればねえ…小夜は幸せになってほしかったんだけど
結局独りになってしまう最後は悲しくなりました。
そんないろんな問題点があるにしろBLOOD-Cは好きです。
映画のDVD買ったのこれが初めてです。
本当に制作してここまで創り上げてくれたスタッフさんGJ。
監督の塩谷さんは今サイコパスの制作をしていますが
今後も是非活躍してもらいたいです。
因みに百合百合なシーンは脚本には書いてなかったそうです。
やはり塩谷さんGJ。
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テーマ : BLOOD-C The Last Dark
ジャンル : アニメ・コミック